おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

甘味のうた

喉元すぎて

暫く経って

もう忘れてしまった頃に

本当の甘味は

そうやって味わうものよ

 

云うは易いけれど

それはきっと

椅子にもたれ揺らすような人が

いうことでしょう

 

まだ早いわ

いいの今

平らげてしまいたい

 

じわと異国の味がした

昔読んだ童話と

無理くりにでも繋げて

そう決めておくわ

 

単純なこころを

忘れてしまわないように

泣きながら揺りかごにいた時が

いちばん賢いのよ

 

もう遅いわ

いいの今

墓前のようにふるまって

 

平らげてしまいましょう

それが甘い味というものよ