おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

初戀

夜祭りのこの日のために

仕立てた浴衣でございます

着崩すことは致しませんが

裾引く思いもあるのです

 

女子ですから

端ないと思われましょうが

女子ですから

焦がれ夢見もするものです

 

合図は宵五つ

 

あなたが優しくしてくれたなら

それは初になるのです

 

朝露待ちには気が引けて

あらぬ懸想が生まれるのです

口に出すことは致しませんが

少しく肌に名残りがあれば

 

女子ですから

可憐しくありたいものですが

女子ですから

煙る思いもあるのです

 

別れて夜九つ

 

あなたが優しくしてくれたから

それが初になるのです