雨はまた
じとっと重い空気を残していった
詩にもならないね
心地よく描かれることが
多いくせにさ
ズルイもんだね
笑っても謂われなく貶されても
強かその姿に倣いたいもんだ
雨はまた
途切れ途切れ
季節をなぞるだけの業を成していった
誰だろか
歌うなら澄みやかにと
教えられたはずだろに
遠く山向こうから
なじるか
人の世 愛とは呼べぬ声色
泣いても祈っても届かぬことを
教えるためのメロディーか
誰がまた
途切れ途切れ
ゆるい風に乗って届けるのだろうか