おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

夏のふりして

赤いワンピースが黙っているままのクローゼット

蒸して夏夜は

居心地も特段いいわけではない部屋

 

御伽草子は飽きるほど

自分の目で読んだでしょう

焦がれ先もなくなったころ

さらに暑い日の下に

扉が開く

 

白い帽子は型崩れ間際で保っている

よかったまた

辿り着いただけでも好きになれた部屋

 

虚し小作は浴びるほど

飲んで飲みほした物語

思い致しも終わったころ

涼し風やどる星の下に

扉が開く