涙ながらの通りゃんせ
かなし人の離れるのは
決してそうかとは手の振れぬ
遣る瀬なき袖を
見ずもぶら提げ
部屋で濡らせるのは何時になる
虚ろな人ほど早歩き
占い林で金を吐く
願うことも愚か
誰も彼も奈落の底へ
向かえ向かえ
赴くままに
ここは今生、まやかし通り
晴れた空なら憎かろに
ぽつと、堪えたもの降らすのは
情趣と呼べば世は真なれど
恨みつらみの行き先を
遮られた気にも
ぶつくさ言葉も教えられてない
聞こえるか遠き祭り囃
雨さえ払うその意気
願うこと向こう側
願えばまた遠ざかる
迎え迎え
来るもの全て
ここは今生、まやかし通り