おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

剥がれる夏

あなたが連れてきた街でしょう

孤独に酔わせないで

其処此処に溢れた恋歌を

今さらなぞる積りもないわ

 

行き交う個体に寄る辺なき

明日には焦がれてしまうかも

 

夏は、夏は

そうやって

知らずに剥がれてゆくものね

 

通り

一本先は

裏通り

一寸先は

皆迄も

 

あなたと連れ立つ夢ばかり

焦がしてしまったわ

 

捕らわれの身でもない癖に

身体が動かなくなる時が

終焉の予告と取るのです

香も来て愈々

 

夏は、夏は

ふやけて逃げて

水しぶき

靄も掛り

 

傷治る過程のごとく

知らずに剥がれてゆくものね