聞きおぼえの子守歌
うつろな節に変わってしまう
こんなんじゃ寝た子も起きる
はやく手繰り寄せて記憶
服がみだれても気にしないさ
どうにか守らなきゃいけないいのちと
向き合う一瞬一瞬が
あなたもいつかわかると
母のことばに
捻くれば
まだ腹に落ちていない
どうせ一生こんなんだ
でも自分を
まだ定まらない自分を
追う場合でなくなったのが
泣き喚くしかないあたり
おんなじ生き物ね
どっちがおさないか
我慢くらべのようになるとは
滑稽なじんせいだこと
明日には消えてもいいと思ったいのちが
生きなければならない、にかわった
助けも呼べない
心ゆるせる手もないけれど
聞きおぼえの子守歌
下手くそをなげく間もなくて
ああ
飯を食み眠りにつく単純が
本当にむずかしいことだったのね