おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

まやかしばかし

野辺に出たつもりが

何年経っただろう

鞄に忍び込んだ花びら

腐らないから気を抜いた

 

化かし合いの世といえど

本当に眩まされるなど

思ってもみなかった

 

明日には

あなたの戸前に立ち

息を吸って吐いて

呼ぶのだ

 

その時が

来れば

来ればいい

生きていられればいい

 

たった明日のことでさえ

不安に酔う春の日だ

 

野辺に出たつもりが

ただのつもりのこともあるから