とても小さな手を握って添う
小さな子でもないのに守りたくなった
雨が近づいているのは肌で分かる
強く抱きしめすぎると
潰れそうなやわらかな
からだとこころで
生きてきた
そのさまを愛おしく思った
泣きそうになる6畳の窓辺
余計なものなど置かぬさが
ただ綴られた言葉
散らばることもなく
そっと仕舞われた君の胸の内
力づくで抱きしめるのは
とても簡単なことだけど
その弱い呼吸に合わせてつむぐ
とても難しいことで
雨が降りだしたのが
雲影で分かる
もう手放すわけにはいかないいのちを
そっといつくしむ加減が
できるだろうか
化粧っ気のない赤らんだ頬を
すっと涙つたう
もう慣れたといわれるほど
君の悲しみを吸いたくなる
雨がすぎてゆくまで待てる
とても小さな手を握ってちかう