おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

汚れたからだが

お気に召さないかしら

宵闇 それでも

灯りは確か

 

言われたとおりに

輿に乗ってきた娘の

先々は

この御方しだいね

 

さだまらぬ視線が

気に障らないかしら

灯りにつれて

ゆかれるだけの

 

声がやさしいのは

気を遣わせたかしら

障子の向こうに妖

またまやかしか

 

赴くとおりに

興に乗っていればいいと

それがいちばん

むつかしいもの

 

汚れたむかしも

気を遣るまでのこと

灯りにぼやかせ

つれてってもらえるわ

 

昼町の乙女が

いつのまに

身を捩らせて

すがりつくまで

 

宵闇 その奥

灯りは確か