おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

真夜の果

夜中の葡萄は身に堪える

恐怖も覚える

学生の時分に読んだ物語は

そのまま思考となるもので

 

毎週末足繫く

峠越え

祈っていた

あの人はあっけなく逝った

 

どうせ不確かな世にあって

祈る阿呆と

祈らぬ阿呆

 

どちらが寂しいかでとる

どちらが無様かでとる

 

どっちつかずが

いちばん狼狽えている

 

そうして

やはり手を伸ばすことになる果実

渇きは消えぬのだと

そうだ

 

物語に書いてあった