小銭を数えて舌を打つ
そのくせ
皮算用も同時にどこかでやっている
そりゃ狂っていくだろうよ
やれ大雨に襲われるぞと煽るものだから
身構えていたのだが
なんのことはない
雲の気 此方には向かなかったらしい
一時ざっと覆われたが
すぐに冷めた
街は直に降られたらしい
手拭いで頭覆って
まだその時代にいるのかと思い違う
何をそんなに慌てて出掛けていくことのある
外の気配は知ったほうがいいが
分からないほうがいい
暮らし向きのことで悩まなくていい日が来るだろうか
そうすると何に気を取られればいいだろうか
二十四節気も丁寧に辿り
あぁこの国の大気を生まれ生きてよかったと
そんな台詞を吐くことで
慰めの一端にでもなるだろうか
現実的な算用が追いついてくる前に
嫌に明けた空を見ながら
空想に耽るとする