おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

眠り草子

澄んだ思いだけが受け入れられるのなら

私は一言も吐くことなく

世を去らなければならない

 

窓辺に床を構えたが最後

陽は痛いほどに来る模様

 

幸せな者たちこそ去れ

憎らしくてならない

草子重ねて

中休み

のつもりが眠ることもあるから

あるから

 

醜い心に見にくい眼

愛も遠ざかろうというもの

飾り立てなければよかったのか

 

窓辺に花を植わえつければ

格好もつくだろうに

 

高らかに語る者たちは

高いところにだけいておくれ

構ってられない

不貞寝した

つもりが目覚めぬこともあるから

あるから

 

知ってもいるでしょう

 

指先も動かぬようになり

いよいよか

澄んだ思いの出番か

愛という代物にありつけるなら

こっぱずかしい台詞も吐こう

 

草子重ねて

中休み

のつもりが眠ることもあるから

あるから