おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

にわか雨と段々坂には

段々坂を

ぎゅっと手を繋いで

そんな背中を見ていたら

アイスが溶けて悲しくなった

澄んだ空にも恨みごと

 

なんだ、また

そんなに口惜しそうに

 

まだ慣れずに泣いてるのか

いいよ此処から見ているから

知らせ無いのが気に入らないか

にわか雨でも其方に遣ろうか

 

ただ突っ立っているだけでも

きついだろうなぁ

他人事みたいに言うともっと怒るだろ

それでも嬉しいさ

偶に知らせて

苦しいだとか

ほっとしたとか

 

段々坂の先には街が

開けてすっとすることもあるよ

だけど帰り道の上りが

きつくもなる

身体があるからね

 

なんだ、そうか

正直な恨みごとも

 

羨ましくなることもあるって

今どうやって伝えようか

ひとつ覚えと言われぬよう

冷えた気でも其方に遣ろうか

 

好き勝手にはできなくて

此方にも都合があるとか

知ったことないよなぁ

 

段々坂の暮れの景色も

滑りそうな雨に気をつけるも

幸せな母子に抉られる思いも

溶けたアイスを貪るのも

 

与えた試練でありながら

羨ましくなることもあるって

手前勝手な詫びのひとつ

にわか雨でも其方に遣ろうか