おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

それでも歌を歌っていた


それでも歌を歌っていた

教室が嫌い

季節の風も遠く 蹲るような

幼い人達にはわからないみたい

あぁ背を向けよう

 

なんとなく繋いだいのちを引き摺って

3階の音楽室へ走る

息切らし逃げ込んだ先の景色も

 

今でもそのまま覚えてる

誰に縋るでもなく

ただ1人 歌を歌っていた

泣き喚くように歌ってた

 

教室が嫌い

塞ぎこんだり ただ時をやり過ごすのは

大人たちも気に食わないみたい

あぁお互い様でしょ

 

海が見えるからいいなんて

思春期だからだよなんて

そんなんで済ませないで

抱えてた矛盾も祈りも

 

今でもそのまま歌ってる

誰にも届かぬ嗄れた声

1人歌って呼びかける

教室の隅で 音楽室で

孤独な少女へ

 

心地いい場所なんて

きっと幾つも無いね

ローティーンで気づいたから

ぐしゃぐしゃの心だったけど

 

それでも歌を歌っていた

誰に縋るでもなく ただ

今でもそのまま覚えてる

景色も全部

 

いのち終わらせる その前に

1人歌って繋ぐのさ

吹く風 あの海 覚えてる

窓を開ければ続く世界の景色も全部

遠く見ながら歌っていた