彼女は決して言ってはいけない言葉を口走った
私はひどく傷ついて
と当時に
あぁこれで解放される
正当に忌み嫌うことができると
安心できた
いつ止んでもおかしくない雨のように
命が消えること
知らないわけではない
だけどそう言いながら
クソほどどす黒い日常が
ちゃっかり続くんだから
息を保たせるためには
多少の狡さは必要でしょう
彼女は頭弱いのかと思うほど悪気ない人間で
だから泣くし耐えるし愛情も持つ
だけど汚い人間の心の葛藤を知らない
ある意味、楽してると思う
とっくに雨は止んでいる
私の熱は下がらない
耐えかねて自分から燃えようか
血迷うほど
激しい精神を持つ子を
抱えるのは普通の人間でも難しい
今日も汚い言葉を吐く
もう一生会わないままにしようか
心苛まれて朽ちるくらいなら
どうせ最善策はないから
次善の次善でしぶとく息をするためには
いつ止んでもおかしくない雨のように
命は消えるよと
またイイ子がたしなめてくる
少しは黙ってくれ
これは異星児の闘いだ
やっぱり熱は下がらない
そんなことを
もう何日何年唱えているだろうか