おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

つきなみ

日常を取り戻すには 心を強く持たないといけない そんなこと 生まれてこの方したことがないのに ただ普通に 生きていただけなのに 多くは望まず平凡に 飯を食って眠る それだけが いまなぜ叶わない 日常を生きるということが なんなのかも忘れてしまった 人…

おとのはのふりをして

おとのはの 明日には消えること知って 杜撰にしたら身に降る まだ投げ出さないで 人の世の どうせ報われぬを知って 横着すれば身に降る まだ放り出さないで おとのはの ふりをして 寄ってくる 節がある それがあちらからの 呼びなら なんとかして 振り切って

悪の性分

風邪の治りが遅い ただそれだけのことで なぜこんなに追い詰められた気分になるのだろう 病に臥せていた年月を 思い出してしまう 美しい青春の思い出などはなく あっても薄れていくのに 臥せていた記憶だけは 今あるかのように 思い出してしまう また囚われ…

苦しきは

音楽で上澄みを癒した気になる 思いこまなければ息もできない ただここにいることが ただ苦しいのだと どう語れば伝わるものか 人の営みから少し外れて それでも生きるには 働き、食って 人の形をした苦しき者に 日が見えるのはいつだろか 日そのものの許に…

心の内と世と

心の内はぐちゃぐちゃだけど 話したくはない 分かってほしいなんて願望は とうに消えて 分かるはずもない者に 的外れに悟されるのがきつい もう解放してくれてもいいんじゃないかな でも方法が見つからないから 人は世から消えるんじゃないかな 別に強く死に…

病と胸の内

声の出ないに託けて 心閉ざしたことのある 癖のようになっちゃって 本音で話せることはもうない あぁ明日 朽ちてもいいと思いながら 生きなさいと教えられたけれど もし明日 朽ちることになっても 晒すことはない胸の内 なのにたまに湧きあがる 分かってほし…

一人月夜

月夜など 黙って背を向ける ただ放っておくことはできぬ 抑えきれない偏屈が やたら照らされる夜だ 遠い日に 饅頭を重ねて 風にあたり 歌を詠んだ 彼の人を思い出していた もうそんな頃合いじゃないのよ 分からなくなってきたとはいえ 今現代が違うことだけ…

海を見ていた

海を見ていた 人が美しいという海を 手前勝手に崇める海を 海を見ていた 誰も見向きもしない海を 昏さこそ彼女のもつ魅力でしょうに 海を見ていた かつて人が沈んだ海を 悲しみよりも万物への申し訳なさが 海を見ていた 歌う気になどなれないのに 旋律が湧い…

眠り落る病

浅いことしか言わないテレビの中の人が 特技は寝ることでーすなんて ファッションで言うのを見ると 腹が立ってくるもので なんなら物理的にしか解明しようとしない 医者にも文句言いたくなるもので ここまでくるとただの気がおかしいクレーマーだから 黙って…

嘆く個体

ずっと喉の奥に痛みがある 人並かそれ以上に風邪もひくし 季節の変わり目にも敏感だけれど そういったものとは違う気がする 時の病が流行る前からのことであるから 原因でもあるまい だけれど私という個体に 少しずつ色々な欠陥を認めるにつけ 認めたくなく…

折り合いと

完璧にいかないと 何もかもを投げ出したくなる悪癖が 病に似たものと知った時 少し腹に落ち だけれど直る気もしなかった 折り合いをつける、とは 完璧にこなす、より難しいものであり しかし人生というより 日々を生きていくということは 折り合いが求められ…

予後は病の前にいる

もう二度と戦をすることなかれ には遠く及ばないけれど 予後 どうかこれが文字通り 予後であってくれと願う あくまで個人的な 自己中心的な要望にすぎないけれど 病よ去れ できれば散れ たったひとつの心からだで 生きていかなければならないのなら それくら…

闇曳

苦しみの類は 苦しんだうえで実らなかった話は 表に出てこないから つい思い違いをしてしまうけれど 人が思い描いた大抵のことは 叶わない 叶わない 夢や希望を歌うなら 同時に絶望も示さないと 虚しさに打ちのめされてしまうよ やり場がないのは わりと皆そ…

明日朽ちても

明日が終るころには 朽ちていたとしても あなたを思いつづけた時間だけ 持ってゆくわ 明日が終るころには 身がなかったとしても あなたを追いつづけた思いだけ 置いてゆくわ 愛がすばらしいって言いたがる 世の中を穿って 愛なんて信じてない私が あなたを思…

2つの背中

www.youtube.com 2つの背中をずっと見ていた かなしいことにつまずいても 心安らぐ場所があれば どんなに楽に生きられるだろう 2つの背中を遠く見ながら ずっとずっと考えてた もう子どもじゃないから 本当はすぐに追いつけるけど わざと距離をとって ゆっ…

いつかの魂、いつからの魂

人間になりたかった魂は いくらでも いつまででも うろつくよ? たいていの人は気づかないから 気づかせるまで いるものよ? ほおら 幸せになりなさい いくらでも その影で ただ 見えもしない魂が 踊っているのよ 少しだけ見える者からすると 恐怖よね

人間になる前、人間になるまで

誰かが痛んでいる時に 我がことのように捉える 感覚が1ミリもないのよね それが欠点だと 自覚があるから 隠し通せる 術はあるから どうしても いつまでたっても なれなくて 人間というものに

不孝者になりまして

あなたが生きているうちに 恨みつらみも吐きたいけれど 早くいなくなってくれたほうが 正直こころも楽になる こんなことを思う自体が 不孝者かと自分を責めたけれど その時間すら重荷になる 大丈夫 間違ってない 何度でも言い聞かせよう 邪道でいい

後悔

後悔は 当たり前だけれど 後から来て 確実に喉の奥から 首を絞めてくる 生まれながらに重いなら あの時何ができたというの 目指すものも分からないまま 逃れることだけ考えて だからいいの いいと言ってほしいの

403

泣きだしたのは あの部屋が最後 必要よりも広かったけれど ずっと具合悪くしてたから 長い時間 横になって 物思いにした場所 起きて半畳 すらいらなくて ただ天井を眺めるだけなら 野原でも変わらなかったのにね 大声で泣いたのも あの部屋が最後

たとえばあの子が

日付に追いつきたくて わざと旅人でないふりをする それを匂わせるような人には 絶対になりたくないから 必死で隠す その過程も 誰も知れない だから 何も考えていないような少女を 舐めてかからないことね 人間見てる ところがある

きょうは いいひ

あなたがひとつ ならしたおとが せかいじゅうの どんなすばらしい おんがくよりも うつくしく きこえたの きょうは いいひね

本生の訓

あなたの誕生日を 覚えていたつもりだったのに 全く違う日だったわ ごめんなさいね いろいろと 生きている世が ごちゃついてくる頃よ 気合い入れ直しましょう 何だって 仕事でも 人間関係でも 物考えていない人に 苛立ってくる頃よ 仕様がないわ 歴が違う け…

灯り切るとき

様子見にすこしだけ 灯りを入れましょう 明日には埃たたき 詳らかになる前に 霊の気配だと 気取られてはいけないわ そうでない可能性を 存分に示しましょう 何も分からない から想像が走る 少し分からせてあげましょう 足音に気をつけて 進んでいきましょう …

空の一方通行

真夜中 貴方の声のするほうへ 身体ごと行きたいわ ねぇもう分かっているくせに この地に落としておきながら 心だけ曳くのは狡いわ 恋をするように出来ていると 人間をやっていて思うけれど 追う先に貴方しかいないのだから 苦しがること知っているでしょ 真…

仕様のない生命

心が晴れやかだった日など 一日たりともないのです 生まれてこの方 それが病だというのなら 私は終始 病なのでしょう 其れで済まされたくなくて ああでもない、こうでもないと こじ付けてみるのだけれど 結局虚しくなるばかり あぁ 世に馴染まぬ命もあるもの…

日陰のこころ

許された者にとり なんてことない日の陰が 許されぬ者にとり 世から弾かれる感覚と 愛された者にとり なんてことない言葉たち 愛されぬ者にとり 捨てられたような物見不安と あぁすべての色が変わるのは 喜びや高揚だけではないさ もうすべての色が変わるのよ…

愛情の先、愛情の手前

誰も愛情のその先など 求めてはいないさ 否、人様のことは知れぬけれど 少なくとも僕は 僕は愛情のその先など 求めてはいないさ 太古よりそれが当たり前だったとしても 少なくとも僕は 実感が持てない愛情の先よりも 求めて止まない愛情の手前 僕は愛情のそ…

秋の葉おもい

雲はまだ 光辿り 誰かのせいにもできぬこと 虹はまだ 姿見せず 空への頼りにならぬこと 秋はまだ 葉落ち知らず 陽気にのみて示すこと 遠かれば 思い出すのだと 思い違いをしていること

声無しに慟哭

あこがれて止まないあの人も 細かな悩みに苛まれているのだろうか 何方にしても知ることはできないのに 考え続けている 始発はもう行った だけれど街は動き始めない 開けたまま飲みきらなかった缶コーヒー 慣れないことをするからだ 部屋を汚すのは外気では…