おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

ひとり祭り

お前はひとり祭り

涙を浮かべても

なぜに耐えるか この浮世

たれもきづかぬのに

 

春、桜辺は

人の通りの賑いに

紛れ、紛れ

妖など 羽を伸ばすか

香はあるか

 

まだお前ひとり

決めあぐねた身の処し様

酷な言い方をすれば

その涙落としたところで

たれもたれも心留めぬのに

 

今夜、お前ひとり

呼ばれ向かう結界

静かに還ってくれば

まだここに居させよう

 

夜桜節は

緩やか静かに誘う

途切れ、途切れ

声のするか

きづかぬか

まだ月に

 

ただお前ひとり

この浮世 在ると信じ

涙堪える純朴を

笑い誹り愛すべきもの

たれのたれの心も底では

 

お前のひとり祭り

涙を浮かべても

さらに耐えるか この浮世

たれかたれかきづかぬのか

 

春は桜まつり

夜はまだ来ぬ日の思い浸り

涙ほろり落ちても

お前はひとり祭り

 

世のひとり唄い