景色を見ないお前
この星はつまらないものだと嘆くお前
意地みたいになって
俯いてた隅っこの席
もうすぐ着く
疲れた人の群れ
ホームに飛び込む
帰りつく
別に安心もできない部屋
泣くな、泣くな、泣いたら負けの
戦いが今
誰も誰のことも気にしない都会で
始まって静かに終わる
どうせなら暮れてくれ
今日は少し早いから
夕餉のじんわりが
ささやかな懐古が
明日もゆく
朝から人の群れ
ギリギリ飛び乗る
行き着く
つまらないとすら吐かないままで
泣くな、泣くな、
泣いてもいいと歌う彼女は
素知らぬ顔で通り過ぎ
輝きの中に消えるのだから
泣くな、泣くな、泣いたら負けと
言い聞かすほか
誰も誰のことも気にしない都会で
息は続かない