頭がぐらつき
記憶薄れるとき
暮らし向きのことばかり考えてしまうわ
呪いたくなる性根
慈しむ家族が無くても
怯え暮らすよりましだもの
そうやって無理くり
一人生き延びた
果ては倒れる四畳の部屋に
あぁ身こころを整えて
できれば誰の目にも触れず
ただ朽ちて消えることはできぬのか
因果なものね
嫌った誰かに頼るなら
居なかったほうが良かったと
病床に遺す歌もなくて
七五も綺麗に刻めない
ただそんなことばかり唱えていると
また頭ぐらつき
世の不思議や気のまぐわいを
語りたいけれど術なく
暮らし向きに捕われる