おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

すらりの街

着古したシャツに

また見覚えが

おんなじ顔で笑ってら

 

北口通りの人混みに

待ち合わせるんじゃなかったな

 

懐かしさだけで噎せ返しそな

歩道橋から見る

すらりの街

 

あぁ好きだと思えたから

生きていけると思えたから

この街を選んだんだよ

あなたに会いに来たんだよ

 

もうすぐ取り壊されるホールに

何度か潜りこんだ冒険の

子どものようなはしゃぎように

腹から笑うこと覚えたもの

 

北口通りをそのまんま

進んだら小さなアパートに行き着く

 

懐かしさだけで身を終えられるほど

気楽な人生じゃないけれど

 

歩道橋から見下ろした

すらりの街

今この足で地を歩く

 

酒場も盛り場も興味はないさ

綺麗に留まってるわけじゃないけれど

並木と

どこにでもある店と

そのすらりが好きなのさ

 

おんなじ思いでここに来て

歩いているだけで笑えてくるよ

 

幾つか持っていた憎しみを

放るも飲むもできないけれど

少し薄めてもらって

 

ぶらりが力持つ街

すらり