おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

あの子のうた

自転車で駆けていったあの子は

恥ずかしげもなく

大声で歌っていて

笑いながら

 

こちらが恥ずかしくなるような

でも愛おしく思えた

およそ田舎の娘とはああいったもんか

知らなかったな

 

本当は手をとって

共に生きたいくらいの衝動を

どうにかこうにか抑え込んで

話せれば顔が見られれば

そこまで欲を落として言い聞かせたもの

 

大人になったってあの子は

変わる様子なく

大声で歌っていて

切な顔も

 

いよいよ恥ずかしくなるからさ

やめたほうがいいよ

だけど見ていたいと思うこちらも

いよいよかな

 

本当は隣に立って

一緒に3度下を取りたいくらいの声だった

どうにもこうにもならんから

変に格好つけてしまったけれど

 

本当はなりふり構わず

抱きしめたいくらいの衝動を

どうにもこうにも抑えきれず

今になって恋しがるザマさ

 

またどうせ大声で

歌ってんだろうな