おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

祈るほかなかった

祈るほかなかった

坂下り燃え上がり

神話の時代まで遡って

慰めてくれる者がどこにあろう

 

己から自ら

手を差し出し指を組み

力強くならぬよう

ささやかな振りをして

 

祈るほかなかった

 

御名を口にすれば

恨みぬいてしまいそうだ

あぁ熱されて消えても良いから

それだけは避けたく

 

伸ばす手もない

もう朽ちる手前で

掴んだ記憶の十字だけ

静かに持ってゆく

 

祈るほかなかった

祈るほかなかった