おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

裏池

じっとしていて

体育館の裏で

オタマジャクシの群れを見る

 

触るのも平気で

怖くもなかった生き物は

あれが最後かもしれないな

 

雨落ちる池は

自分が濡れようと汚れようと

馴染む景色として

見てる分には心地いい

 

だって一生懸命走っても

追いつけないグラウンドは

行きたくないよ

 

幾つも物語を知って

歌も覚えて

それでも描かれるのは

仕舞い綺麗に収められる話だけ

 

この手に残った泥水も

構わず拭いて汚れた服も

よく分かんない咳も

 

ないしょだよ

ないしょだよ

 

どうせ構ってはもらえないんだもん

 

思い出そうとしても

巨人になったような

小人になったような

変なぐにゃっと歪んだ景色だね

 

置いてけぼり

緑に濁った池をじっと見る