おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

毒と病

幼い頃から心身を蝕んできた

言いようのない劣情に

名がつくと知って

喜んだのも束の間

 

其れを名乗る人が増えてきて

正直面白くなくなったもの

 

苦しさや恥ずかしさ

捨てたいと思い続けた

バツの悪い彼是にまで

執着を

 

分かり合いたいと言いながら

簡単に分かるなんて言われたら

腹が立つ始末

愛着も

 

思えば全ては

軽い風邪のようなもので

ぶり返すことも居直ることも

知らぬ間に失せることもあるでしょう

 

人の心の程度など

他人が見えるものですか

急に荒れ狂う心根を

言い表せるものですか

 

そして夜が来れば

じっと毛布に縋るような

儚い恋も汚い生活も

俯瞰で見ているような

そんな気ばかりするもので

 

だんだんと

誰よりも不幸でなければ

それを衒かせない

なんて負の輪廻へゆく

 

あぁこれだけ蝕まれてもなお

希望を見せられたツケかしら

歌など歌って寂しがる

少女気質の行く末は

 

言いようのない劣情が

いつの間にやら私を

下らない世界に繋ぎ止る

何様のつもりかしら

 

其れを名乗るのなら

ここまで追い詰められてからにして

 

自分より度合いの低い者の云うことが

疎ましく思えるのなら

私も神様なり誰様なりに

大分謝らなければ

 

兎にも角にも

簡単に病を名乗る者が

許せなくなっているのかもしれない