澄んだ朝日を見たからとて
救われるわけじゃないでしょう
もしそうなら
呑んだくれは全員幸せになれる
無理して起こした弱い背を
6時の汽車に凭れさせた
多摩川越えれば日も昇りきる
あなたどうしているかなんて
昔の歌ではよく
夜辺に聞いたものでしょう
だけれど捻くれ逆さ縁は
朝方に問うたりもするの
古い小説を取り出して
時代逆さまに行きましょう
許されるなら終点まで
読み耽ってもいいかしら
呼んだ朝日に
蹴り返す
救われることがない世だと
偶然そのページ開いたときに
燦燦と照りつけるのね
東の街はどこもそうなの?
まだ慌てなくても明けたばかりよ
あなたどうしているかなんて
本当は思ってもいないくせに
気に入った節はいくらでも
心にないこと歌えるわ
朝に沈めてみたくもなる
古い記憶こそ居座って
魂逆さに先導してゆく
許されなくとも終焉まで
お付き合い願いましょう