夕凪を待つ間に夜凪
それならまだ救われよう
凪ぐまで、凪ぐまで
唱えたのに
そのまま荒波に飲まれ消えても
誰も気づかぬ世にあって
春夏秋冬に人生を
例える向きがあるようで
私にはどうも
朝昼夕晩の
海に思えてならないの
なあに、此方のはなし
放っておいてくれていいけれど
聞いてくれたら嬉しもの
朝日が綺麗と云ううちは
何ら痛みを知らぬのか
真昼の煌めき受けるのは
あなたも輝いているものよ
夕凪、夕凪、
突然の
階調の来て怯えましょ
日の落ちてゆく様に
それを受ける青の滲み
さぁ赤へ行け
いづれ、暮明へ
何と悍ましいことでしょう
夜凪を思う間もないほどよ
凪ぐまで、凪ぐまで