おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

忌避の日和

倒れた瞬間の無念を

残された者は知る由も無し

ただただ手を合わせるには早く

何を祈る時でもない

 

慌ただしく業多いことが

誤魔化し癒しになるためと

人の言うのを聞くにつけ

黙って思うならどんな時を

過ごしただろうか

 

一生に一度しかないから

試しようもない

世間の掟に逆らうことせず

型通り執り行いました

 

たらればが此れほどに

胸を突いたことはありません

どうか安らかにと

人の決めた台詞を辿る心境ではなくて

 

梅雨に湿る木々が地が

からっと晴れ上がる次の日が

人の行き交う街なかが

疎外を拡張して

責められたわけでも責める所以も

 

持たぬまま生まれ死んだら

易々と行ける浄土

よくも知らぬ教えに沿って

型通り送り出しました

 

そんな気分に浸っているのか

遣り場のないと人の言う

意味がわかった気がします

自分ひとりの中の苦楽など

他愛ないことだと知りました

 

一生に一度しかないから

過ちか正解か

世間の掟に逆らうことせず

それで次点としてください

 

目を閉じて浮かぶ頃には

何かしら行く手も見えるのだと