おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

homesick

強がっているわけでも

カッコつけてるわけでもなく

ホームシックになったことなど

ただの一度もない

 

愛されたあの子には

人を想うあの人には

死ぬまで死んでもわからないだろう

この清々しさ

 

隣り合わせにあるのはきっと

むなしい、さみしい、たくましい

しいて言うなら元の星が恋しいわ

なんてね。

 

愛に飢えた者は笑われるか

どこに行っても大丈夫なんじゃなくて

どこに行っても大丈夫じゃないからこその

強み

 

狭い日本の中で都市から都市へ

何だって言うんだ

恋しくなるのは本当のふるさと

言わないけどね

 

隣り合わせにあるような気がして

なのに遠いね貴方の声が

やっぱ言わせて元の星が恋しいわ

なんてね。

 

ホームシックにかかる幸せ

あのコは知らない宇宙のハナシ

秘密よ

この優越感めいたものを退いたら

本当に空っぽになるから

 

隣り合わせにあるのはきっと

むなしい、さみしい、たくましい

しいて言うなら元の星が恋しいわ

なんてね。

音楽の理由

NO MUSIC, NO LIFEを掲げる街の真ん中で

叫びたいけど叫べないこと

生まれてこのかた抱えたものを

 

誰か聞いて

胸の底まで分かって

大丈夫だって言ってよ

 

どこまでも自分勝手が

たった1人で暴走してるだけさ

静かに

理由なんてそれだけ

 

NO MUSIC, NO LIFEの美しさ、そう眩しさに

こんな汚い魂が同類項には入れない

 

誰か聞いて

言いたいことが山ほどあるの

気づいてくれるだけでもいい

 

NO MUSIC, NO LIFEを掲げる街の真ん中で

必要だからやるんじゃなくて

湧き出たものがソレだったの

 

誰か聞いて

胸の底まで分かって

大丈夫だって言ってよ

 

捻くれ屋の自意識が

たった1人で暴走してるだけさ

静かに

理由なんてそれだけ

息吹の中

春風に立ち 空を見る

どれだけの涙が流れたか

 

人々にとり 僕は何

問いかけるほど分からなくなる

 

ただ1人立つ丘は 神も見えぬ

どこからか鐘の音が

きっと幻

 

何十年の生命を託され励むのに

一瞬毎の色を成す

胸に住まう息吹

 

この人ひとり在るために

どれだけの涙が流れたか

遠ざかるより繋ぎたい

人々の手に 神の目に

 

揺れる葉に触れてもその根は見えぬ

どこまでも孤独だと言い聞かせる

 

春風が吹く中で望み望まれるなら

思い出や涙さえ捨ててしまえるよ

 

人々にとり僕は何

問いかけるほど分からなくなるけど

 

それでも1人生きるより

どれだけの涙を流しても

 

遠ざかるよい繋ぎたい

人々の手に 神の目に

 

春風に立ち 空を見る

川と風の日

通りすがりの苦しさだった

やさしい陽を受けるとは

まさかこの背も思ってなかっただろう

 

川の流れ思い描いてた

歌に出てきた嵐山

やっと来られた

1人きりだけど

誰にも知られぬように

小さく口ずさもう

 

制服の彼ら彼女らには

分からないよなんて嘯いても

重荷抱えたふりをする

自分が可笑しくなるだけさ

 

通りすがりの苦しさだった

朝の風がゆくときは

少しこの背を伸ばしていたいような

 

異国の人と橋を渡る

なんとなくで安らぎを

分け合っているなんて

思いこんでみたり

 

せせらぎはいつまでも

続かないよなんて先走るクセ

ぼーっと眺めている分には

ひととき何も感じなくていいんじゃないかって

 

通りすがりの苦しさだった

優しい陽を受けるとは

まさかこの背も思ってなかっただろう

 

川を下る船を見ていた

歌に出てきたその景色だ

やっと来られた

1人きりでも

 

通りすがりの苦しさだった

思えただけでも

来てよかった

いちにちを巡らせる

気がついたら夜

あのコが怯えてた夜

闇が襲う

声もなく

堕ちてゆく眠り

 

気がついたら朝

彼が怯えてた朝

光の眩しさに

逃げ場なく

照らされる己

 

気がついたら昼

あの人が怯えてた昼

忙しなく

動く街

こなしてゆかなければ

 

気がついたら夕べ

私が怯えてた夕べ

暮れてなずむ

その瞬間

引きずられてゆく

 

一日の何所をとっても

心休まることなく

誰かが嫌って怯えていなければならないの

 

夜にはあのコに寄り添って

朝には彼とともに光を浴び

昼にはあの人とともに走る

夕べは私の手をとって

 

何とか巡ってゆけたらいい

ロングスリーパー

世の中は眠りと覚醒でできている

ロングスリーパー 何とか渡れ

 

まだ明けぬ空に願いそっと懸けてみたり

白昼夢 寝覚め虚ろ

 

平等に与えられた24時間の中で

ロングスリーパー 景色まだ

 

覚めやらぬ

 

ロングスリーパー

人生損してるなんて

上っ面だけで言わないでよ

 

人々が語らう夜べ 眠りこけてみたり

街が動き出しても

 

あぁ夢の中

 

ロングスリーパー

大器晩成どころか

毎日毎日眠ってます

 

時間を無駄にしてる?

そんな気はなくて

ただただ そういう生き物です

 

大きな夢を摑むためには

寝る間も惜しまなきゃいけないんでしょ?

だけどね ロングスリーパー

眠り眠るうち

うんとパワーをためてる

ってことにしよう!

 

世の中は眠りと覚醒でできている

ロングスリーパー 何とか渡れ!

呼び水ふわり

水は人を呼ぶのだから

海を前にして怯えるあなたは正しい

 

砂浜で確かに持っていた意識を

飛ばすの 陽射しの

眩むか 目覚めるが先か

 

だめよ だめよ

抗うほど 引き込まれてゆくのだから

リズムつけて呼んでるのよ

気づいた時には もう海の底

 

水は声を出すのだから

海の前にいて勝てると思うのが間違い

 

なぜか上空から見ていたなんてことに

なるの 陽射しの

その上へ 行きたくはないでしょう

 

そっと そっと

手招く波

連れ去る時は一瞬だから

リズムに乗って 心地よいほど

気づいた時には もう海の底

 

山が呼ぶ

地が呼ぶ

空が呼ぶ

風がふわり使者となって

水が呼ぶのも

その営みの1つよ

 

だめよ だめよ

抗うほど 引き込まれてゆくのだから

リズムつけて呼んでるのよ

気づいた時には もう海の底

 

そっと そっと

手招く波

連れ去る時は一瞬だから

リズムに乗って 心地よいほど

気づいた時には もう海の底

ひとり

愛されぬまま朽ちてゆく身が

惨めでならないのです

それを言葉にすればなお

痛々しく映るから

黙っている

 

そうやって口を閉ざせば

いっそう気味の悪い存在となり

輝く人の影にすらならないように

街から消える

 

いつ、どこで、どう間違ったのか

誰も教えてくれない

数十年かけて旅をしてきたつもりなのに

行き着いた狭い狭い部屋

 

項垂れても、ひとり

物思っても、ひとり

 

愛に飢えた者のように

歌われるのも御免です

それを訴えたところで

虚しさが増すから

黙っている

 

黙っているだけで本当は

何も考えていないわけじゃない

負け犬の遠吠えですか

ならば獣は街を後にして

 

ねえ、どこへ、これから行けば

この身も報われよう

決して横着してきたわけではないのに

行き着いた深い深い底

 

這い上がるも、ひとり

崩れ落ちるも、ひとり

 

愛されぬまま朽ちてゆく身が

惨めでならないのです

 

凍えきって果てるような

熱にうだされ焼け落ちるような

 

いつ、どこで、どう間違ったのか

誰も教えてくれない

数十年かけて旅をしたつもりなのに

行き着いた狭い狭い部屋

 

項垂れても、ひとり

物思っても、ひとり

うたにあらず

自意識と感受と

ありったけの衝動をブチ込んだ

それはもう

うたにあらず

ただ

爆発の時を待つだけ

 

荒い兵器のようだ

 

こんなはずじゃなかったと

呪文なら幾らでも出てくるのに

華やかな世界にも

身を切れずにいるのか

 

丸い地球のはずが

 

うってつけの社交場で

壁の花にもなれないことを

おそらくでも

ひとにあらず

うすうす

気づいているのでしょう

 

辛い夏味のような

 

どこで手を打ちましょう

誰かれ構わず抱きしめるわけには

 

うたにあらず

叫ぶ声の

ひとにあらず

吐く息の

 

荒い兵器のような

ただの塊ひとつ

おのがこころ

大切な人が誰なのか

もうずっと前にわかっていた

なんだかんだと病名をつける

そんなことしなくてもわかっていた

 

どうせ愛せないよ誰も

すこぶる順調 毎日は

衣食住整えばいいならとっくに

 

夜9時を過ぎたらもう

閉じよう

詫びよう

見えない敵

 

帰途も明日も晴れやしない

大切なのは己のみ

 

残酷なことに青春は

姿も見せずに消え去った

あーだこーだと足掻き続ける

それだけでもう折り返しが見た

 

この腕摑まれてもまだ

渡せないプライドとか

ある程度築ければいいならとっくに

 

夜中1時を過ぎたらもう

浮かぼう

いつでも

帰れるように

 

寝床も過去もあたためない

大切な己すら蔑ろ

 

大切な人が誰なのか

もうずっと前にわかっていた

世にそぐわないようで

気づいて黙っていた

 

意識途切れたらもう

任せよう

倒れよう

惨めな星

 

口笛、恋唄、届きやしない

大切なのは己のみ

 

言い聞かせれば嘘も方便

大切なのは己のみ