おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

ひとり

愛されぬまま朽ちてゆく身が

惨めでならないのです

それを言葉にすればなお

痛々しく映るから

黙っている

 

そうやって口を閉ざせば

いっそう気味の悪い存在となり

輝く人の影にすらならないように

街から消える

 

いつ、どこで、どう間違ったのか

誰も教えてくれない

数十年かけて旅をしてきたつもりなのに

行き着いた狭い狭い部屋

 

項垂れても、ひとり

物思っても、ひとり

 

愛に飢えた者のように

歌われるのも御免です

それを訴えたところで

虚しさが増すから

黙っている

 

黙っているだけで本当は

何も考えていないわけじゃない

負け犬の遠吠えですか

ならば獣は街を後にして

 

ねえ、どこへ、これから行けば

この身も報われよう

決して横着してきたわけではないのに

行き着いた深い深い底

 

這い上がるも、ひとり

崩れ落ちるも、ひとり

 

愛されぬまま朽ちてゆく身が

惨めでならないのです

 

凍えきって果てるような

熱にうだされ焼け落ちるような

 

いつ、どこで、どう間違ったのか

誰も教えてくれない

数十年かけて旅をしたつもりなのに

行き着いた狭い狭い部屋

 

項垂れても、ひとり

物思っても、ひとり