だれも教えてくれなかった
柔く寄せる白波の
ずっと向こうに少しばかりは
楽な場所がある
だれも教えてくれなかった
馬鹿の一つ覚えみたいに
自分を愛すと呪文ばかり
歌われても
だれも教えてくれなかった
だから呼びかける
たとえば鎌倉の
もしくは平安の
外国の
宇宙の
知らない誰かに
呼びかけて
一方通行でも
だれも教えてくれなかった
愛を知らずに突き落とされた
この地は生きるに難いのと
どうすればつたわる
目をつむれば
昨日ぐらいは見えるけれど
進む先も
進むべきかも
だれも教えてくれなかった