髪が伸びたのね
もう泣いたりはしないね
此方の都合を押し付けるには
まだまだ早いの分かってる
暦をまるで追い越すように
春陽がふわっと来た午後
どうか健やかであれと
初めて思えた幼い手
己のことしか思えずに
誰かの愛も気づけずに
矮小さながら孤独の檻
いつの間に抜けたの
桜待ちはあと幾日
もう少しの大人し寝
いづれ歩けるようになったなら
一緒に春の中へゆこう
これがね私の好きな
あたたかふわりの空気です
そしてね彼が好きだった
この地この風
2人でも
その中にいようね