ただっぴろい駅だ
デジャヴな気もして
行き交う人は声もない
改札の中にいるのか
外にいるのかも分からないまま
弾んだような気になるのは
お上りだけの特性でしょうか
どうせ疲れ切って寝込むのは
大人しくしててもおんなじだから
もっと歩いて好きなだけ
迷路にはまって何とか帰ろう
温かいスープもお帰りも
待たない代わり
今はどこまでも自由だ
案の定ふらついてくる午後
今まで騙しだまし来ていただけで
最初から弱っちかった
むしろ分かってきてよかった
バスも地下鉄も知らぬ電車も
何だってこの場所から
そして港が近いと疼く海育ち
いずれ疲れ切って倒れるだろう
そう遠くないことに気づく3生目
だから歩いて好きなだけ
何も残せなくていいんだって
この身で感じていたいじゃない