おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

教室の隅から、愛をこめて

輝く人には分からないこと 起こってるよ 教室の隅で

残酷な朝を迎えて今 チャイムとともに席に着く

 

きっと今日もまた

 

憧れてうらやむ私を笑ってくれることもないのだろう

だって あなたの目にも留らぬ

かなしい 教室の隅から愛をこめて

 

伸ばした髪をバッサリ切ったね

いつも無邪気に笑ってるよね

机に伏せて見ないようにしてる

眩しすぎるの 私には

 

同じハコの中にいても

 

すれ違い 互いに悩んだり

一緒に歩くこともないのだろう

今日もあなたを遠目に見てる

かなしいね 教室の隅からじゃ届かなくて

 

また明日も

 

憧れてうらやむ私を笑ってくれることもないのだろう

だって あなたの目にも留らぬ

かなしい

教室の隅から愛をこめて

解放

夕日がきれいだとか

風が気持ちいいねとか

そんな誰にでもありそうな感覚とは違うのよ

高飛車だって笑わないでね

真剣に悩んでるの

 

もういいのよ

禁止事項は1つもない 本当はこの世界

 

身体だけじゃなく心まで強張っているのね

病が蔓延した社会の中

ますます分からなくなっているのね

大丈夫よ

我儘でも異端でもない

 

あなたの足に絡み付いた鎖をはずして

その手を縛り付ける縄をほどいて

本当はまっすぐな瞳 俯かせた理屈をいったん払って、ね

 

心を締め付ける風景 離れないけど 薄めてゆきましょう

少しずつ薄めてゆきなさい

ひとつずつ取り払ってゆきなさい

あなたを解き放ちなさい

 

幼い頃はしょうがないのよ

どうしようもないもの

呼びかける inner child

あなたのせいじゃないわ 決して

 

無条件に愛されている安心感 知らないから

足場がないから

どこまでいっても不安なのね

 

綺麗事だと嘲られても 私は言うわ

大丈夫

少しずつ生きてゆけるから

あなたを解き放ちなさい

 

理不尽なことばかりね

無神経な人が溢れて呼吸もできないね

だけど必ず 必ず生きてゆけるから

あなたを解放しなさい

ナツコイ。

静かに恋をしていた夏

風吹くだけで戸惑ったこと

 

走り続けて

目の前も眩む中で

君を追っていた

ずっと向こうで

笑っているの

誰を見てるの

私のこと覚えてるかな

 

ただね

懐かしくて

少し思い出してみただけ

気にしないでね

ほんの今だけ

独り言だからね

 

バス停まで駆け上った夏

日が暮れるだけでぎゅっとなったこと

 

汗にまみれて

倒れ込みそうな時

君の声が聞きたかった

反対方向だから

分からないけど

会えない日もあるけど

私だけでも覚えてるんだよ

 

ただね

くすぐったくて

少し浸ってみただけ

気にもしないよね

いいんだそれで

独り言だからね

 

静かに恋をしていた夏

風吹くだけで戸惑ったこと

 

ただね

懐かしくて

少し思い出してみただけ

気にしないでね

ほんの今だけ

独り言だからね

夏、Nagasaki

宝のような時は過ぎ
誰にも云えぬかなしみが
真夏の空へ向かうから
心まで焼けてしまいそう

 

斑模様の木々の影

揺れて何を問う

あの日突然街は終り

途絶えた息のつづきを
生きるのか

 

太陽に恨みなど

人の罪に終焉など

私は今ここに立ち
知らない、焼けた空を思い出す

数十年の時を過ぎ

どうしても癒えぬかなしみが

埋まる地の上にただ
十字が在るだけでは
思いを馳せなければ・・・

 

宝のような時は過ぎ

残虐を、身を以って、知らぬ私が

 

何故に咽ぶか夏空よ

揺れる木々、この地の上

十字がただそこに在るだけでは
思いを馳せなければ・・・

 

宝のような時は過ぎ

真夏の空へ向かうから

teen~green&blue~

響いたチャイムを背にして 長い階段を降りてく

やけに騒ついた風も 僕の心には勝てない

 

今は与えられた日常

1時間に1本来るか来ないかのバスを待ってる

息苦しいなんて言えるはずないでしょ

こんな町じゃ

 

鞄に隠したラジオは 雑音混じりのラブソングばかり

 

たぶんね 賢く生きれたらこの胸今よりずっと楽になるってもう知ってる

言い聞かせながら やっと顔上げたのに

目の前は

 

荒むことなど許されないような 緑と青

希望を翳して僕を追い立てる 緑と青

 

制服の裾は解れ はしゃいだ季節の名残り

切りすぎた髪も伸びて 大人になったかは分からない

 

いつか手を繋いだ道を1人で歩いてゆくの

カッコよくて虚しいね

切り捨てた感情も無くなるわけじゃないって教えてる

 

時は流れど そこに居続ける 緑と青

強い西陽を受けて輝ける 緑と青

 

やっとクラクションが聞こえた

帰りたくもない家に連れてってくれるんでしょ

揺れる景色の中 見てた窓の外は

 

何度触った

何度払った

空の青 木々の緑

 

僕の嘆きなど平気で受けとめる 緑と青

強い西陽を受けて輝ける 緑と青

 

荒むことなど許されないような 緑と青

希望を翳して僕を追い立てる 緑と青

それでも歌を歌っていた


それでも歌を歌っていた

教室が嫌い

季節の風も遠く 蹲るような

幼い人達にはわからないみたい

あぁ背を向けよう

 

なんとなく繋いだいのちを引き摺って

3階の音楽室へ走る

息切らし逃げ込んだ先の景色も

 

今でもそのまま覚えてる

誰に縋るでもなく

ただ1人 歌を歌っていた

泣き喚くように歌ってた

 

教室が嫌い

塞ぎこんだり ただ時をやり過ごすのは

大人たちも気に食わないみたい

あぁお互い様でしょ

 

海が見えるからいいなんて

思春期だからだよなんて

そんなんで済ませないで

抱えてた矛盾も祈りも

 

今でもそのまま歌ってる

誰にも届かぬ嗄れた声

1人歌って呼びかける

教室の隅で 音楽室で

孤独な少女へ

 

心地いい場所なんて

きっと幾つも無いね

ローティーンで気づいたから

ぐしゃぐしゃの心だったけど

 

それでも歌を歌っていた

誰に縋るでもなく ただ

今でもそのまま覚えてる

景色も全部

 

いのち終わらせる その前に

1人歌って繋ぐのさ

吹く風 あの海 覚えてる

窓を開ければ続く世界の景色も全部

遠く見ながら歌っていた

死の抗議

今まさに命を終わらせようと

息をのむあなたに

苦しいところ

さらに心苦しいけど

残念なお知らせがあります

 

人ひとり死なないと気づかないような奴は

人ひとり死んだって気づかないよ

 

人ひとり死なないと気づかないような奴は

誰が何をやったって気づかないよ

 

だからこその悪だ

 

因って

死の抗議は意味をなさない

夏を呼ぶ日

夏の日を憶えている

それは懐古ではなく

熱い体を憶えている

 

逃れられない運命のような

ただの思い込みのような

 

ふと、目を覚ますと

分からなくなるのは

死ぬまでずっと

生きてもずっと

だけど、

もっと深いところで

やけにぼやけたところで

 

記憶、追い詰め、問い詰め

夏を呼ぶ

 

夏の日を憶えている

決して悔やむではなく

痛い傷を憶えている

 

幼子の大袈裟のような

一生引き摺るような

 

ほら、産まれ堕ちることからし

選べないでしょう

溶かせないでしょう

だから

きっと救い上げる

ずっと見守っている

 

文月、巡らす、辿り着く

夏を与える

 

誰も憶えていない

不確かさに目を剥くほどだ

縋りつくだけなら、太陽

容易く許すのだろう

 

記憶、追い詰め、問い詰め

夏を呼ぶ

 

また確かに巡り来た日

青の代償

世界は青いね

誰にも言えないけど

僕の心は荒んだままで

世界は優しい

本当は優しいんでしょ

今は少し隠れてるだけ

 

手を伸ばす 空に問う

希望って何?

その青が 答えきっと見せてくれる

それでもね

怖いつらい呼吸は続き

うずくまる 震えてる

 

気づいて

 

世界は青いね

誰にも言えないけど

僕の心は荒んだままで

高く晴れたこの空ほど

優しいものはないんだよ

怖いものはないんだよ

 

どこまでも堕ちるような

海の底 心の底

その青がひどく染みついて消えない

それでもね

眩しい淡い光は差し

涙ごと拾ってくれる

 

気づいて

 

世界は青いね

誰かに言いたいけど

嗄れた声は響かなくて

世界よ教えて

こんな感情

僕だけ1人持ってるの

みんなどこかに抱えてるの

 

知ってるよ 本当は優しいんでしょ

ただ両極に曳かれ揺れるのが苦しいだけ

 

世界が青くて鮮やかな分

汚い僕は身を隠し

世界が青くて罪深い分

心は少し華やいだ

 

世界は青いね

誰にも言えない心

僕は今でも荒んでるけど

世界は優しい 知ってしまったから

今も歩き続けてる

世界の、青い空のほうへ

君は言う

「どんな世界の青さにも 君1人で立ち向かうことはないのだから」

「どんなに世界に怯えても 君を苦しめるものばかりじゃないのだから」

 

失う五感と湧き上がる六感、七感

私はどうやって生きてゆく

呼吸も儘ならぬ苦しみと縛りの世界で

私はどうやって生きてゆく

“生きてゆく”…?

 

投げ出させてくれない 空の明るさ

最期の一瞬に過ぎる風

揺れる揺れる心

もはや此処に在らず

 

それでも

 

君は言う

「どんな世界の青さにも 君1人で立ち向かうことはないのだから」

 

消え行く五感を凌駕する六感、七感

私は何処までも惑うだけ

“故に我在り”は思っても思っても摑めない

私は何処までも惑うだけ

惑うだけ

 

諦めさせてくれないメロディーがある

堕ちた底の者にも吹く風

巡る巡る時よ

何処へ連れてゆくの

 

不安でも

 

君は言う

「どんなに世界に怯えても 君を苦しめるものばかりじゃないのだから」

 

 

失う五感と湧き上がる六感、七感

私はどうやって

“生きてゆく”

 

終わらせてはくれない

続いてく空

今この一瞬を刻む風

揺れる揺れる心

もはや此処に在らず

 

それでも

 

君は言う

「どんなに世界に怯えても 君を苦しめるものばかりじゃないのだから」

 

投げ出させてくれない空

その青を

憎らしいとさえ思ったこともあったけれど

 

君は言う

「どんな世界の青さにも 君1人で立ち向かうことはないのだから」

君は言う

「どんな世界の青さにも 君1人で立ち向かうことはないのだから」