おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

煩い電話と財布のこと

暮らし向きのことには使うなと

渡された僅かな金を

いつの間にか使ってしまった

 

電話はけたたましく

たとえ鎮めても

真夏のセミより煩く鳴くね

 

もう解放されてもいいころ

それか思い起こして許してもいいころ

腑抜けたみたいで嫌だから

やっぱりやめておこうか

 

夢を見る性格も

気の強いのも

似すぎてしまった

 

もう子供じゃないけれど

いつまでも子供なんだろう

囚われるような土地柄、人柄、

弾き倒して

自分が倒れる前にね

 

情けに生きゆくことが

人の道だと昔の賢い人が言い

できるならそれに添いたいと

思ってもいるのだけれど

 

大して中身の無い財布を

後生大事に持つようで

 

身体も痛くて及ばんと

嘆くならそうすればいい

放っておいてもいいかしら

 

たとえば電話がやんだあとも

鳴り続けるように囚われて

そんなものどうぞ弾き飛ばして

自分が倒れるくらいなら

 

勝手もいいものよ

これから続く自分の時間を

必ず生きてゆきなさいな