おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

宵町花火

から、ころ、

久しぶりの

から、ころ、

はずむ足に

合わないまんま

鼻緒あざやか

追いつくように少し走って

 

から、ころ、

境内のすみ

から、ころ、

待ち合わせの場所に逆戻り

 

宵の花火は咲いたろか

夢見も過ぎて朧げな

煙い町

そっと暗い空に

咲いたろか

 

恋し人は

肩の隣り

息もできぬ

から、ころ、

 

慣れない帯の所為かしら

ぐっと締めつけられたよな

一夜だけでも見たいもの

そういう夢もあるでしょ

 

から、ころ、

から、ころ、

 

またも花火は咲いたろか

鮮やか花の散ったなら

残る煙

そっと溶けて

咽かえす

 

恋し人の指に触れ

息も止まる

から、ころ、