おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

波にも溶けぬ人生

揺れている波に逆らわずに

たった一度の人生を

投げ出してみるのもあなたの自由

決して決して戻れないけどね

 

寄せ返せば白い渦

ずるいわ

 

目を閉じて倒れ込む時

足掻くように呼吸は荒くなり

もう何だっていいやって思ってた

あの時の無抵抗はどうした

 

そうやって

死ぬほど苦しい思いを

表せぬまま

死なずにいる

 

崩れ落ちたら最後の廃屋

こんなに脆い身体を

預けて眠るのもあなたの自由

二度と二度と戻れないけどね

 

サイレンの音

遠ざかっても響く

 

引き摺って助け呼ぶ時

声なんて出たもんじゃないけど

もう殺してほしいなって思ってた

あの時の無気力はどうした

 

どうやっても

死ぬほか逃れられぬ思いを

抱えて

死なずにいる

 

雲は行け

好きに

知ったことか

構ってはいられぬほど

荒い人生を

 

そうか其方からすれば

構わぬいのち

一つのいのち

 

波間ふらり倒れ込む時

帰っていくような安心に怯えて

今までにない足掻きを知る

この時の感覚を忘れるか

 

そうやって

死ぬほど苦しい思いは

誰に理解されるでもなく

死なずにいる