おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

無いという彼女の声がする

声の出ない数日を経て

彼女は落ちこんでしまった

 

気分ではなく

風体から物理から

沈みこんだように見えた

 

地平は抑々平らではない

 

声の出ない数日から

調子の整わない数年を経て

彼女は

目が座ってしまった

 

兄弟が指摘する

久しぶりに会った時にはもう

純朴が見えなかった

 

置いていった者たちには

決してわからぬ

覚束なさが

一生残るの

 

傷ではなくて

覚束ないという

感覚が残るの