また雨が裏切りやがった
此方としては万事尽くした
命落すまで堪えた者もある
どう責任を取ってくれる
柔くなった天幕はもう用無しさ
捨ておけ
要らぬ者と一緒に
穢れの民は苦に苦労する
聞いてはいたが酷なものさね
翁が言っていたことは
数十年の後に意味を知る
歴史の陰に隠れた残虐が
幾つあったろうかと馳せた
そうして雨が憎たらしくなった
其方に其の積り無くとも
命苦しめられる者があると
文句を付けるなら天か
あぁ足掻くだけ無駄の民に
残されたのは
命を燃やすより
静かに消える
まだ雨が欲しくなった
飢えれば勝手は人の常
貪りたくなる残虐性
あぁ己も所詮人間か