おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

雨の憎し

また雨が裏切りやがった

此方としては万事尽くした

命落すまで堪えた者もある

どう責任を取ってくれる

 

柔くなった天幕はもう用無しさ

捨ておけ

要らぬ者と一緒に

 

穢れの民は苦に苦労する

聞いてはいたが酷なものさね

 

翁が言っていたことは

数十年の後に意味を知る

歴史の陰に隠れた残虐が

幾つあったろうかと馳せた

 

そうして雨が憎たらしくなった

其方に其の積り無くとも

命苦しめられる者があると

文句を付けるなら天か

 

あぁ足掻くだけ無駄の民に

残されたのは

命を燃やすより

静かに消える

 

まだ雨が欲しくなった

飢えれば勝手は人の常

貪りたくなる残虐性

あぁ己も所詮人間か