おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

落てゆく月

最後はもう何も言わない

揺り返すことさえない

愛した者もあったろに

 

どれだけ大きくても

誰からも見える明け空でも

 

主義主張から遠く離れたところで

静かに降りる

物言わぬ月

 

嫋やかなる夜更けは

思い出と化せば詩になるね

冷えた気が温んでゆくよに

 

どれだけ熱く燃えても

届くときは冷たくなって

 

惜しまれることも貶されることもなく

只の静かに

落てゆく月