掻き毟るために生れた傷じゃなかろうに
また夜中赤みだした
髪切ればあの人に似て笑い顔
弱さだけが私の影か
幾度申し訳なくもなる時に
念じるようにしています
愛を以て接すればもう
命を守ったことになると
ただね
日々に少しばかりは
落ちこませてもくださいよ
遺し言葉は正しいばかりで
添ってはくれない狡さがあるわ
こんな私を嫌っても
幼いのちは守ってと
呼びかけるのを止めたくせ
祈る言葉は止まらずに
ひとつ咳をする時に
せめて一人でないように
擦る手のひとつでも
あれば足しになるだろと
まだね
日々を紡ぐなどには
及ばない為体です
遺す思いは知る由もなく
ひたすら子に添うだけだわ
夏も終りを見たならば
少しばかりは休ませて
誰も終りを定めること
できぬ中におるのですね