おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

夏夜 子の背

掻き毟るために生れた傷じゃなかろうに

また夜中赤みだした

髪切ればあの人に似て笑い顔

弱さだけが私の影か

 

幾度申し訳なくもなる時に

念じるようにしています

愛を以て接すればもう

命を守ったことになると

 

ただね

日々に少しばかりは

落ちこませてもくださいよ

遺し言葉は正しいばかりで

添ってはくれない狡さがあるわ

 

こんな私を嫌っても

幼いのちは守ってと

呼びかけるのを止めたくせ

祈る言葉は止まらずに

 

ひとつ咳をする時に

せめて一人でないように

擦る手のひとつでも

あれば足しになるだろと

 

まだね

日々を紡ぐなどには

及ばない為体です

遺す思いは知る由もなく

ひたすら子に添うだけだわ

 

夏も終りを見たならば

少しばかりは休ませて

誰も終りを定めること

できぬ中におるのですね