おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

見上げる思い

また臥せた床に

繰り返す闇に

放るが早い浮世思い

 

止まぬ痛みに

止まらぬ思考に

嘆くほか思い当たらぬ

 

もう咲いた花も見ぬまま

いつの間にか散ること

慣れたのに

まだその様を

いつか見た姿かたちから

思い描いて暮れる

 

地に足を着ける生き方と言うが

足どころか背を着けたままの

虚し身にせめて

空だけでも高くあってくれ

川岸の意

冬はぬくもりに気づくためにあり

誰も届かぬ心のうち

少し見せてくれるかなと

天までもお前に期待した

 

愛知らぬままに朽ちる身に1つ

教えておきたいことがある

戸惑いだけを残してゆく

お前がどんなに愛おしいか

 

うまく渡れるものならば

船も漕ぎ手も助けもなく

されど意を決したなら

必ず佑く

柔き身を

 

夜は訝しさを嘆くためにあり

誰がお前を思わざる

正しい道に爆弾アリと

天さえも知らぬが道理哉

 

愛受け入れずに在る身でも1つ

信じつづけたものがある

息づかいだけ確かめゆく

お前がどんなに尊い

 

うまく渡れるか川岸で

賽は己れで投げていた

自ず意を決したのだ

必ず届く

撓る心

この星の、独りごつ

いつか呼びかけた神の

沙汰無きこと

どこまで肥大化させて

虚しさも一緒に

 

コーヒーは飲めないし

車にも人にも酔うし

 

この星の楽しみ方を

事前に誰か教えてくれてれば

まだ空ばかり

空の向こうばかり

心持ってかれずに過ごせたかな

 

この嘆きも

独りごとさ

 

胸に忍ばせた十字の

冷たいこと

いつまで一方通行

願い祈りを持って

 

何も無いのに寒気が走るし

ふと気付けばぐっと熱くなるし

 

この星のやり過ごし方を

下手なりに覚えてこれたら

まだ胸ばかり

胸の奥ばかり

ぎゅっと念じずに過ごせたかな

 

この嘆きもまた

独りごとさ

 

いつか呼びかけた神の

沙汰無きこと

意識の中だけで

1人だけで

会って

そんな気になって

 

虚しいだけさ

独りごとさ

よとぎばなし

言伝があるのです

あなた1人で今夜、1番奥の部屋へ

怖がらずともよいのです

…嘘です

あなたの機微に懸けたくらいだから

気づいてしまわれたのですね

 

あなたを堕とし

世の様を

少しでも潤せたらと

あなたの首を絞め

世の痛みを

欠片でも拾えたらと

仰せです

 

ただ、思った以上につらいものになってしまった

まだ、耐えられるのか

もう、止むほかないのか

 

今夜、教えてくださいとの

 

抱くことはできぬ

まして心に触れる、救い出すなどと

首謀でありながら

この様

殴る蹴るは好きにしてください

後戻りはできないのだから

 

あなたに託し

世の憂い

わずかでも癒せたらと

あなた自身のこと

世の隅で

こんなにも苦しめるとは

八つ裂きにされても

償えないほどの

 

ただ、それでもなお縋りつきたくなる光を負って

ほら、あなたが部屋に

そっと、現れたから

 

毎夜、声を掛けます

 

届くかは知れず

 

あなたを堕とし

世の様を

少しでも潤せたらと

 

あなたの幸せなど

思いもよらなかった

 

ああ、思った以上につらいものになってしまった

まだ、止まない雨か

もう、耐えられぬのか

 

今夜、この部屋から戻れば

また、世に放ちます

毎夜、声を掛けます

まだ、世に報いてください

ひとり祭り

お前はひとり祭り

涙を浮かべても

なぜに耐えるか この浮世

たれもきづかぬのに

 

春、桜辺は

人の通りの賑いに

紛れ、紛れ

妖など 羽を伸ばすか

香はあるか

 

まだお前ひとり

決めあぐねた身の処し様

酷な言い方をすれば

その涙落としたところで

たれもたれも心留めぬのに

 

今夜、お前ひとり

呼ばれ向かう結界

静かに還ってくれば

まだここに居させよう

 

夜桜節は

緩やか静かに誘う

途切れ、途切れ

声のするか

きづかぬか

まだ月に

 

ただお前ひとり

この浮世 在ると信じ

涙堪える純朴を

笑い誹り愛すべきもの

たれのたれの心も底では

 

お前のひとり祭り

涙を浮かべても

さらに耐えるか この浮世

たれかたれかきづかぬのか

 

春は桜まつり

夜はまだ来ぬ日の思い浸り

涙ほろり落ちても

お前はひとり祭り

 

世のひとり唄い

narcolepsy

Let It Beを聞いていた

昨日でも今日でもない暮れに

覚めたのか 堕ちたのか

やわらかメロディーだけが救いだけれど

 

もう戻れないのか

この世で最高の music 与えても

応えない身体に苛立ちながら

唱える

 

次の曲に移った

朝でも夕でもないくせに

死にだけは近づく星が

憎らしくてならなかったのだけれど

 

また堕ちてゆくのか

この世で唯一 music 縋りながらも

堪える身体に失望しながら

のらりくらりと

 

Let me see...

働かない頭と

この世で唯一愛せる music 与えても

満足に声も出ない身が

呪わしくて仕方ない

 

もう戻れないのか

この世で最高の music 与えても

応えない身体に苛立ちながら

堕ちる

believe IN myself

もう感覚を失くしてしまったから

涙 涙だけ落としてゆく 落としてゆく

 

もう川の向こう辿ってしまったから

風は 風はほら 意味を成さず

僕を責めて

 

I believe IN myself

 

ただ なぜ生まれ生きるのかという

ありがちな問いではもう表せない 表せない

 

ほら 感覚を呼び戻してうたう

喉よ 声よ 今確かめさせてほしいんだ

 

I believe IN myself

 

今 感覚を失ってしまって なお

涙 涙だけ落とせるのは うたえるのは

 

まだ 向こう岸 渡らずに歩こう

風が 風がほら 吹くなら そう

 

I believe IN myself

I believe IN myself

海の前に立つこと

海の前に立つとき

清らかでなければならないような

呪文

それさえ流そうと

波音きて

 

海の前に立つとき

痛みが少しやわらぐような

錯覚

それでもいいから

涼風吹き

 

海の前に立つとき

心が溶けてなくなるような

幸福

それすら失くしても

不幸紛らせ

 

海の前に立つとき

愛されぬ者にも寄り添うのか

呆れ

それから泣く

日差し見え

 

海の前に立つとき

人であっても人でなくてもいいような

何かしらの母に許されたような

安堵

それこそ土台

根強くあれ

 

海の前に立つことは

唯一我を救う

呪いながら

救いながら

海の前に立ち

物思う

こころおろか

夜半もとうに過ぎ

手先冷えきったのに

帰り着けば此処はいずこか

今はどの世を生きているのか

 

作りだされたやわらかい風を

受けても知れぬ巡りゆき

 

呼びかける神も背も

なき身には

こんなにも日常が

おぼろげなものか

 

落日 記憶辿れ

目を閉じ作るしかない

描き頼れば其処はいずこか

まだ今の世を生きているのか

 

閑話一節に捧げる身でも

届けて果てる先が見え

 

呼びかける神も背も

なき身には

どんなにか空想が

心づよいものか

 

やがて明けると知っているのに

襲う不安がうらめしい

 

呼びかける神も背も

なき身には

こんなにも日常が

おぼろげなものか

 

頼りなさげに歌え朝鳥

痺れたままでも従うからに

呼びかける神も背も

なき身には

うきよまつり

秋祭りの明かりが灯る前に家路を

曳きこまれてゆくから

…ゆきたい気もするけど

 

あぁ艶やかに

あぁ嫋やかに

浮世なぞる、かわす、染めるひかりよ

 

秋祭りの明かりが灯る前に家路を

曳きこまれてゆくでしょう

もう彼の地にいるのかもしれない

 

鮮やかに

気づかせぬほど

揺れる、連れてゆく、辿る、思い思い巡り巡り

 

神に託す罰当たりか

贄のような美しきか

人知れずに起こること故

何百何千の時を平気で超えた

 

秋祭りの明かりが灯る前に家路を

曳きこまれてゆくから

…ゆきたい気もするけど

 

帰りたいのか

知らぬ地へゆきたいのか

やはり帰りたいのか

そもそも居た場所なのだろうか

 

秋祭りの明かりが迫る

何度めかの時

あぁ夢に見たことがある

いや現実に辿ったことがある?

 

あぁあの道も

あぁこの道も

すべて曳き道なのだ

白昼、見え隠れに気付かぬだけで

 

いちばん強まる日なだけだ

明かりが伝手となり導くまでだ

曳きこまれてゆくでしょう

ゆきたい気がするでしょう

 

恐ろしいことではない

何を勘違いしているのか

うきよの祭りに紛れて

一人、また一人、ゆくだけさ

偶偶の話

 

秋祭りの明かりが灯る前に家路を

曳きこまれてゆくから

…ゆきたい気がするでしょう