また臥せた床に
繰り返す闇に
放るが早い浮世思い
止まぬ痛みに
止まらぬ思考に
嘆くほか思い当たらぬ
もう咲いた花も見ぬまま
いつの間にか散ること
慣れたのに
まだその様を
いつか見た姿かたちから
思い描いて暮れる
地に足を着ける生き方と言うが
足どころか背を着けたままの
虚し身にせめて
空だけでも高くあってくれ
いつか呼びかけた神の
沙汰無きこと
どこまで肥大化させて
虚しさも一緒に
コーヒーは飲めないし
車にも人にも酔うし
この星の楽しみ方を
事前に誰か教えてくれてれば
まだ空ばかり
空の向こうばかり
心持ってかれずに過ごせたかな
この嘆きも
独りごとさ
胸に忍ばせた十字の
冷たいこと
いつまで一方通行
願い祈りを持って
何も無いのに寒気が走るし
ふと気付けばぐっと熱くなるし
この星のやり過ごし方を
下手なりに覚えてこれたら
まだ胸ばかり
胸の奥ばかり
ぎゅっと念じずに過ごせたかな
この嘆きもまた
独りごとさ
いつか呼びかけた神の
沙汰無きこと
意識の中だけで
1人だけで
会って
そんな気になって
虚しいだけさ
独りごとさ
言伝があるのです
あなた1人で今夜、1番奥の部屋へ
怖がらずともよいのです
…嘘です
あなたの機微に懸けたくらいだから
気づいてしまわれたのですね
あなたを堕とし
世の様を
少しでも潤せたらと
あなたの首を絞め
世の痛みを
欠片でも拾えたらと
仰せです
ただ、思った以上につらいものになってしまった
まだ、耐えられるのか
もう、止むほかないのか
今夜、教えてくださいとの
抱くことはできぬ
まして心に触れる、救い出すなどと
首謀でありながら
この様
殴る蹴るは好きにしてください
後戻りはできないのだから
あなたに託し
世の憂い
わずかでも癒せたらと
あなた自身のこと
世の隅で
こんなにも苦しめるとは
八つ裂きにされても
償えないほどの
ただ、それでもなお縋りつきたくなる光を負って
ほら、あなたが部屋に
そっと、現れたから
毎夜、声を掛けます
届くかは知れず
あなたを堕とし
世の様を
少しでも潤せたらと
あなたの幸せなど
思いもよらなかった
ああ、思った以上につらいものになってしまった
まだ、止まない雨か
もう、耐えられぬのか
今夜、この部屋から戻れば
また、世に放ちます
毎夜、声を掛けます
まだ、世に報いてください
お前はひとり祭り
涙を浮かべても
なぜに耐えるか この浮世
たれもきづかぬのに
春、桜辺は
人の通りの賑いに
紛れ、紛れ
妖など 羽を伸ばすか
香はあるか
まだお前ひとり
決めあぐねた身の処し様
酷な言い方をすれば
その涙落としたところで
たれもたれも心留めぬのに
今夜、お前ひとり
呼ばれ向かう結界
静かに還ってくれば
まだここに居させよう
夜桜節は
緩やか静かに誘う
途切れ、途切れ
声のするか
きづかぬか
まだ月に
ただお前ひとり
この浮世 在ると信じ
涙堪える純朴を
笑い誹り愛すべきもの
たれのたれの心も底では
お前のひとり祭り
涙を浮かべても
さらに耐えるか この浮世
たれかたれかきづかぬのか
春は桜まつり
夜はまだ来ぬ日の思い浸り
涙ほろり落ちても
お前はひとり祭り
世のひとり唄い
Let It Beを聞いていた
昨日でも今日でもない暮れに
覚めたのか 堕ちたのか
やわらかメロディーだけが救いだけれど
もう戻れないのか
この世で最高の music 与えても
応えない身体に苛立ちながら
唱える
次の曲に移った
朝でも夕でもないくせに
死にだけは近づく星が
憎らしくてならなかったのだけれど
また堕ちてゆくのか
この世で唯一 music 縋りながらも
堪える身体に失望しながら
のらりくらりと
Let me see...
働かない頭と
この世で唯一愛せる music 与えても
満足に声も出ない身が
呪わしくて仕方ない
もう戻れないのか
この世で最高の music 与えても
応えない身体に苛立ちながら
堕ちる
夜半もとうに過ぎ
手先冷えきったのに
帰り着けば此処はいずこか
今はどの世を生きているのか
作りだされたやわらかい風を
受けても知れぬ巡りゆき
呼びかける神も背も
なき身には
こんなにも日常が
おぼろげなものか
落日 記憶辿れ
目を閉じ作るしかない
描き頼れば其処はいずこか
まだ今の世を生きているのか
閑話一節に捧げる身でも
届けて果てる先が見え
呼びかける神も背も
なき身には
どんなにか空想が
心づよいものか
やがて明けると知っているのに
襲う不安がうらめしい
呼びかける神も背も
なき身には
こんなにも日常が
おぼろげなものか
頼りなさげに歌え朝鳥
痺れたままでも従うからに
呼びかける神も背も
なき身には
秋祭りの明かりが灯る前に家路を
曳きこまれてゆくから
…ゆきたい気もするけど
あぁ艶やかに
あぁ嫋やかに
浮世なぞる、かわす、染めるひかりよ
秋祭りの明かりが灯る前に家路を
曳きこまれてゆくでしょう
もう彼の地にいるのかもしれない
鮮やかに
気づかせぬほど
揺れる、連れてゆく、辿る、思い思い巡り巡り
神に託す罰当たりか
贄のような美しきか
人知れずに起こること故
何百何千の時を平気で超えた
秋祭りの明かりが灯る前に家路を
曳きこまれてゆくから
…ゆきたい気もするけど
帰りたいのか
知らぬ地へゆきたいのか
やはり帰りたいのか
そもそも居た場所なのだろうか
秋祭りの明かりが迫る
何度めかの時
あぁ夢に見たことがある
いや現実に辿ったことがある?
あぁあの道も
あぁこの道も
すべて曳き道なのだ
白昼、見え隠れに気付かぬだけで
いちばん強まる日なだけだ
明かりが伝手となり導くまでだ
曳きこまれてゆくでしょう
ゆきたい気がするでしょう
恐ろしいことではない
何を勘違いしているのか
うきよの祭りに紛れて
一人、また一人、ゆくだけさ
偶偶の話
秋祭りの明かりが灯る前に家路を
曳きこまれてゆくから
…ゆきたい気がするでしょう