ぐらついても
今日は仕舞い
客の来ない寂れ酒屋
酔い振り
手を待ち
身を雪崩れさせて
今日は宵宵
ともにふらつこ
目を擦れば
今日は仕舞い
客の引いた街の並みも
良い振り
面持ちに騙されて
とろける乙女
今日は宵宵
ともにふらつこ
世界を変えてしまうような神のみなしご
人里遠く離れた村に生まれた1人の少女
伸ばした髪を2つに結い 逞しく駆け抜ける
母の愛を知らぬままに1人育った少年
空を見上げ問い続けた その瞳は強く
2人が出会う時
声が胸に目覚め来る
世界を駆けて救いゆけ
あぁ神の子等
襲い来るものに向かいゆけ
さぁ神の子等
見えぬその先は 2人飛び込め
病める町よ 死せる川よ 進むほどの厳しさに
決して強くはない少女 幾度涙した
夏の長雨降り注ぐ 岩をも砕く激しさに
決して弱くはない少年 止むまで手を握る
淡い虹 その下で
終わりはすでに始まっていた
願いをかける人々が振り仰ぐ空
耳を塞ぐな 2人ならきっと守れよう
選ばれし運命を果たし生き抜け
世界は絶えてしまうのか
神のみぞ知る
遣わせし子等に託された
彼もこの地も
世界を変えてしまうような神のみなしご
その力をもって2人 世界を保て
選ばれし運命を果たし生き抜け
伸びた髪を1つに結い
強い瞳はそのままに
世界を変えてしまうような
あぁ神の子等
来ましたよ
気だけで遣られる春先が
先刻便りは認めて
貴女と離れたことを悔やむ
語らいたかったわね
この気の中で
長閑のふりした
連れゆき癖で
幾らだって狂うことも
情に嘆くこともできるでしょう
貴女と連れ立って
歩きたかったわ
それなら少しばかり
正気が保てたかもしれないのに
季が季を呼べば
気が気でなくて
明日に候
春はもう並び立ち
気が付けばもう
祈る振りで
誤魔化さないように
僕は汚い人間だと
確と自覚して
足先定めよう
きれいな歌に依らないように
わだかまりは
時間がたっても
僕に蔓延る細胞だ
取り除くには
一生じゃ足りないや
捻たまんまで終わったとしても
祈る振りで
誤魔化すことだけは
僕のような人間が
しちゃいけない気がしている
それより我が身を見定めて
きれいな歌に依らないように
毒が回るようよ
知らない毒が
夜泣き鳥も静まるころに
触れる肌には熱持って
何方とつかぬ手を取って
2人 野を駆けた少年が
いつの間に大きな背をしていたの
愛されるとは
こんなにも息詰まる
神も知らない贅沢な朽ち方
気を遣る情歌
夜風障る
昼時にも残るわ きっと
毒が回るようよ
知らない毒が
暁にも攻め入るよう
揺れる肩にそう 手を遣って
虚ろうつろの身を合わす
2人 世を避けた積り
灯りひとつの部屋
解けてゆく意識
愛されるとは
こんなにも息詰まるものか
波の引くような情歌
気を遣る野明け
揺り返し 道連れの熱
愛がもうとどく
回るようよ
知らない毒が