おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

ともにふらつこ

ぐらついても

今日は仕舞い

客の来ない寂れ酒屋

 

酔い振り

手を待ち

身を雪崩れさせて

 

今日は宵宵

ともにふらつこ

 

目を擦れば

今日は仕舞い

客の引いた街の並みも

 

良い振り

面持ちに騙されて

とろける乙女

 

今日は宵宵

ともにふらつこ

耐える繊細児

繊細であることを

事、主張しようとは

一度も思ったことなくて

 

なんなら恥ずかしいから

隠し通せないかなと

思案錯誤に忙しい

 

ただただ暮らしてゆくために

繊細であることが

自分と同居するために

 

必要な毒は吐かせて

必要な智をあたえて

 

繊細であることは

纏う服ではないから

美しくあるより

耐え忍ぶに限る

気の乱高下

また外気は乱高下

おどけた振りの生真面目が

生き馴染むまでに数十年

名残り惜しむことに数十年

 

すぐに仕舞うと

先達の

あらまほしきと

唱えずとも

 

教えてくれているではないか

気は巡り季もゆくではないか

 

其れにつられて乱高下

行ったり来たりの心根が

ただ鎮めるに数十年

溶かし透かすで数十年

 

儚む時に

人の出る

惜しまれずとも

永らえて

 

ひどく震えているではないか

正気保っているではないか

 

またに揺られて乱高下

誰の所為だと綴ろうか

親は二十まで

神はいつまで

擦りつけても赦してくれる

残響

心砕ける音のする

自分の中でしか響かない

けれど大きく残る

 

喉の詰まる

絵画を覚えるように

記憶に景色を残すように

 

たとえば

物心つくまえの

たとえば

この星に来る前の

 

すべてが今ここのように

残る性分です

神の子等


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世界を変えてしまうような神のみなしご

 

人里遠く離れた村に生まれた1人の少女

伸ばした髪を2つに結い 逞しく駆け抜ける

 

母の愛を知らぬままに1人育った少年

空を見上げ問い続けた その瞳は強く

 

2人が出会う時

声が胸に目覚め来る

 

世界を駆けて救いゆけ

あぁ神の子等

襲い来るものに向かいゆけ

さぁ神の子等

見えぬその先は 2人飛び込め

 

病める町よ 死せる川よ 進むほどの厳しさに

決して強くはない少女 幾度涙した

 

夏の長雨降り注ぐ 岩をも砕く激しさに

決して弱くはない少年 止むまで手を握る

 

淡い虹 その下で

終わりはすでに始まっていた

 

願いをかける人々が振り仰ぐ空

耳を塞ぐな 2人ならきっと守れよう

選ばれし運命を果たし生き抜け

 

世界は絶えてしまうのか

神のみぞ知る

遣わせし子等に託された

彼もこの地も

 

世界を変えてしまうような神のみなしご

その力をもって2人 世界を保て

選ばれし運命を果たし生き抜け

 

伸びた髪を1つに結い

強い瞳はそのままに

世界を変えてしまうような

あぁ神の子等

春は貴女を連れてゆく

来ましたよ

気だけで遣られる春先が

先刻便りは認めて

貴女と離れたことを悔やむ

 

語らいたかったわね

この気の中で

長閑のふりした

連れゆき癖で

 

幾らだって狂うことも

情に嘆くこともできるでしょう

貴女と連れ立って

歩きたかったわ

 

それなら少しばかり

正気が保てたかもしれないのに

季が季を呼べば

気が気でなくて

 

明日に候

春はもう並び立ち

気が付けばもう

さよなら きれいな歌

祈る振りで

誤魔化さないように

僕は汚い人間だと

確と自覚して

足先定めよう

 

きれいな歌に依らないように

 

わだかまり

時間がたっても

僕に蔓延る細胞だ

取り除くには

一生じゃ足りないや

 

捻たまんまで終わったとしても

 

祈る振りで

誤魔化すことだけは

僕のような人間が

しちゃいけない気がしている

それより我が身を見定めて

 

きれいな歌に依らないように

束の間のBlues

束の間のBlues

泣いたりは

遠い世界に置いてきた

 

何周目でもないよ

ひとつのいのちが

ただ続いてるだけだから

 

種明かしは

何百年後

誰も知り得ない

何千年後

 

歌好きになり

心なぐさめに

ひとふし覚えただけだもの

 

得体の知れないものにはただ

訝るだけがもう精一杯だ

 

責めちゃいないよ

明日には忘れるように努めるさ

 

束の間のBlues

何もかもを

戻れぬ世界に置いてきた

 

格好つけても

さびしがりだから

これだけ許して

束の間のBlues

 

愛とどく


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毒が回るようよ

知らない毒が

夜泣き鳥も静まるころに

 

触れる肌には熱持って

何方とつかぬ手を取って

 

2人 野を駆けた少年が

いつの間に大きな背をしていたの

 

愛されるとは

こんなにも息詰まる

神も知らない贅沢な朽ち方

 

気を遣る情歌

夜風障る

昼時にも残るわ きっと

 

毒が回るようよ

知らない毒が

暁にも攻め入るよう

 

揺れる肩にそう 手を遣って

虚ろうつろの身を合わす

 

2人 世を避けた積り

灯りひとつの部屋

解けてゆく意識

 

愛されるとは

こんなにも息詰まるものか

波の引くような情歌

 

気を遣る野明け

揺り返し 道連れの熱

愛がもうとどく

 

回るようよ

知らない毒が

 

貴方の隣

果てるときは

貴方の隣と決めている

 

もしかすると

人の世では理になくても

 

歩幅合わせること

できないのに

好いたものだから

 

焦るほどに

遠ざかるから追い縋る

悪循環は

胸の中でどろり

 

生き意地汚く

傷つけられても

心痛めても

いいから、いいから

 

果てるときは

貴方の隣と決めている