バス待ち
夏の入りはまた蒸して
茂みを踏んで
木柵越えて
海風を見下ろしてる
もう9時まで鐘も鳴らない
真っ暗にはならない
海色はぼやけてる
鼻歌はお化けが来るって
今は気にならない
焼き場も近い
峠はそこよ
死が近いならそのぶん
生もすぐそこにあって
息吹より大きな
風が吹いている
バス待ち
ひとりだと逃しそう
そもそもが忘れてしまいそう
宵の入りはまた蒸して
海の気がそのまま上がってくる
気がしない?
なんで湿っているのか
上からと思いきや下から
夏は来ている
バス待ち
連れてかれないように
木柵越えて
大人しく戻ろ