おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

夜の駅までも駅からも

電車の中

まばらな人

皆下を向いて

いつの間にか外の景色も

見えないや

 

もう日常に溶け込みすぎて

何なら避けたいくらいの乗車

思い出している

初めて電車に乗ったころの

暗がりと

広がる都会の心地よさ

 

海のように澄まなくても

ワクワクしていたまだティーンの

私が見た窓向こう

 

振り返りたくも

見定めたくもないけれど

いつからか

あとはどう折り合いをつけるかの

問答ね

認めたくない彼是が積もる夜ね

 

改札の電子音

味気ないなんて

すぐに文句師

便利は有難く享受して

懐かしさを美化するのはやめましょう

 

空の青さなど今は思わず

とぼとぼ帰れば

この足で

倒れるわけにはいかないし

 

だけど

自分というものが寂れてゆくだけの

 

青い季節は極端に短く

それもまた去りて気づくもの

自分を宥めてゆきましょう

生きるつもりがあるのなら

明日へ連れてゆきましょう