信じるしかなかったのよ
神も仏もない国で
空の言う人の言う
正しいだとか伝えだとか
身体も頭も侵されたのよ
閉ざされた村で
歴史も碌に知らんから
自分の生きた時空間だけ
草を踏み
腰を落として
苗植えた
彩りは緑
そして溶ける青
信じるしかなかったのよ
地に足を着けた
その生き方が正しいと
吟遊にあればなおのこと
心も魂もあったもんじゃない
閉ざされた村は
開けた空に反比例
自分が生きてゆくにはね
しがない1日は
面白いほど早く暮れ
夕日だ何だに構ってもらんないや
苦に苦を重ねて
嘆いたところでさ
使えるモン使って
生き延びていかなきゃ
飯も食えない思いを
1度でも
したほうがいいなんて
嘘っぱちだ
駅前の静かも
部屋まで上る騒がしも
関係ないさ
こんなに耳に痛いのに
しがない1日は
厭らしく長引いて
贅沢な1人寝も叶わないもんだな
苦と苦をうたって
あとは死ぬだけ
こんなに容易いことが
どうしてできなんだ
音を失った地球に
急に喋りかけてみて
無視されたような気になってちゃ
世話ねえな
やっと暮れる
暮れてくれもう
息つく間もないくらい
乱れてくれて構わんから