月のめぐりに背きながら
年がら年中うつつにいます
日がな一日眠りそうな
うとうとと
うとうとと
春はなおのこと
いざなわれる
彼方側が魅力的です
そもそもがたゆとう者
抗いたくもないのです
他の誰かが正確に
如何様にあるのかは
知れず仕舞い地の上
ただ弱きに耐えるなど
およそ使命とは思えません
それならば無理くりに
意味を見出そうとすれば
うつろうつろの中にいる時だけ
浮かぶ視線
感じる熱
それが其の侭メッセージ
春は桜を愛でて過ぎれば
いっそ儚んでいいくらいでしょ
一瞬の命というけど
永く思える日々のこと
悩んでるくらいが
ちょうどいいよって
よく言われること
分かってるけどさ
渦の中にいる時は
終わりも見えず
もがき方も分からないでしょ
君の荒れた手が
少しずつ元通りになる季節
バッグにいつの間にか
忍びこんだ
花びら手にして思う春
時よ止まれも
早く過ぎゆけも
ないわ
ただ今思い連なることが
多くてやんなるね
明日また少し話そう
中野通りの
並木に沿って
ただ美しいと歌えたら
悲しい帰り道も一緒に
思い出してしまう性でも
君が振った手が
少しずつ見えなくなる五差路
帰り着いてまた
溜め息と幸福が紡ぐ春
時よゆけゆけ
あの日よ戻れ
どちらも思い通りにはならなくて
気にあてられて霞んでも
明日また話そう
遠い遠い soulmate
呼びかければ歌がはね返って
さあ身の内に流してしまいなさい
抑揚が好きなのね
分かるわとても
リズムを刻みつづけて
それがメッセージ
指先は震えているでしょう
いつも通り
躱す海岸通り
例えば drive
歌によくある暮らしは
君には異世界
遠い遠い soulmate
生きているうちに謁えること
叶うなら神より尊いものに見える
言葉が得意なのね
頭が下がるわ
追いつかないくらい綴って
それがメッセージ
愛なんて一番苦手でしょう
いいよそれで
それがいいのよ
歌われ尽くしたものは
僕にも退屈で
遠い遠い soulmate
同じ瞬間に同じ星
それだけで通じ合ったような
隣り合わせは難しいものね
求めつづけることが
呼び合うことが
soulmate
うっかり溢さないように
しっかり握りしめた
ホットレモネード
本来こんな飲み物じゃないんだけどな
咳をしても一人の如き部屋
朝の日が差せば
目覚めるようにできているらしい
それに逆らうように
弱りゆく身体が憎らしい
春は虚ろな気が
蔓延しているようで
それは病より怖いものでしょう
彼は元気などと
気に留めるには己が身を
整える必要がありそうね
もう少し眠るわ
飲み終えたあとはただの
プラスチックの白いカップ
いのちを救ってくれるわけではないもの
そんなものに囲まれている
後姿のしぐれてゆくことさえ
きっと無い
朝のガラス窓を
通して押し入る東向き
例えば逆らおうにも
気怠い身心が憎らしい
春は見えない気が
蔓延して気づかぬうちに
生きてもいないのでしょう
気をつけなくちゃいけないね
春は虚ろな気の所為に
幾らでもできるから
現実と向こう側を
確と見きわめて
また何か飲んで
ゆっくり起きてみるのよ
眠りに入るとき泣かぬ子は
いつも泣けぬ大人になる
叱られる前に汲める子は
いつか褒められるときを待っている
季節がゆくたびに
手に取れぬことを知り
桜葉を手提げにくすねて
形見にしたのでしょう
五差路をすぎたとこ
もう目いっぱいの桜通り
泣いたりはしないでしょう
ぐっと堪えてきた子だもの
誰かが笑っていると
ほっとするよね 分かるわ
誰かが少し怒鳴ると
びくっとするよね 世が終わるように
季節を迎えるたび
足も疲れているくせに
桜葉をふと見上げて
仕舞いには走り出すでしょう
駅前の広場にまた
見知らぬ人が歌う声
泣いたりはしないでしょう
感受鍛えた子だものね
改札を抜けて待つ
電車が来るまでは春を見て
あぁいとしの桜通り
ずっと待っていた褒めそやし
生きているうちには
出会えないかもしれないけれど
この景色に辿り着いた子だもの
三つ子の魂百までという
恐ろしい言葉がある
物心ついて己の頭で
考え始めたころには手遅れの
彼是が覆いかぶさり
または足らずして
支配してくるのだ
恨みつらみで生きるのは
格好も悪いし落ち着かない
けれど
そうするほかない者が
平気で幾人も生まれ育つ
誰がどうしてくれる
親孝行したい時に親は無しというが
逆に問い質したい時ももういない
なぜ先に生まれ死ぬだけで
偉ぶっているのか知れない
2世、3世と経る者からすれば
年齢などおよそ記号以下
それでも自ずと滲み出る
今世で生まれしなに受けた愛
受けなくてもまた染みのように
残る厄介がどうしてくれる
子を持てばお前もわかると
講釈垂れる前に聞け
歪な家でぐらつく人間に
育てられたことがあるか
己の頭でいくら考えても
もう一生手にできないものが
あると知る
生憎聡い子になってしまって
愛を乞う
不安を拭うための
そんな虚しい生き物に
してくれたのは誰
許せるはずもないでしょう
そんなことがこの世には
幾つか転がっているじゃない
2000年3月29日 GARNET CROW メジャーデビューの記念日です。
(シングル『Mysterious Eyes』『君の家に着くまでずっと走ってゆく』発売日)
名探偵コナンの主題歌で有名ですが、
カップリングやアルバム曲に隠れた(隠しきれてない)名曲がたくさんあります☆
①君連れ去る時の訪れを(4thアルバム終曲)
②Nora(カップリング曲)
③空に花火(アルバム曲)
風雨強まる真夜中
一向に寝つける気がしない
読みかけの本はもう
そのまま返そう
ゴロゴロと
雷とは違う音が始まった
表さぬ正体が不気味を増す
返事をしないまま
幾つかの便りも
明日纏めて捨ててやる
修復できないまま死ぬこともある
私かも相手かも
いいのよ
どうせ何もかもは
うまく回らない星
1つでも叶えば万々歳なら
是非に日々の平穏を
きつく抱きしめられるくらいが
激しいくらいが
愛を感じていいのよなんて
語ってた子がいたけれど
1ミリも共感できないわ
優しいことが何より
何より大事でしょ
そんなことを綴るうち
雨音弱まってきたのは
気の所為かしら
此方がぼんやりしているのかも
めずらしく眠りが遠い
夜半は
夜半は幾つも不思議を抱えこんでいる