おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

またも眠り子

眠りに落ちてゆくという感覚もないまま

いつの間にか昼も夜もなく

どこの姫でもないくせに

覚ます魔法も持たぬのに

 

夢を見たら見たで昏く

見えぬ水に追われるような

自分だけ追い詰められるような

 

よく眠る子だったもの

気にすることもないはずよ

手は痺れて体に力入らなくても

死ぬわけじゃないから

 

眠れない苦しみなら

世に幾らでも語られているのに

 

さすれば起きているという感覚もないまま

考え始めたら尚のこと

どこの姫でもない身です

ただ浮き世 long sleeper

 

目覚めたら覚めたで昏く

夜の不安を知らぬ分

ツケ返すように襲われるのよ

 

よく眠る子いつの間にやら

大人になって尚つづく

現代ならそれらしい名前もつくだろうけど

分かりっこないんだから

 

眠り落ちる苦しみなど

世に幾らもないでしょう

 

こんな話をしていたら尚更

胡蝶の夢どころじゃないわ

 

よく眠る子だったのは

何やら意味があったもの?

布団深く被って逃げた

夜じゃなくて浮き世から

 

今もつづく long sleeper

生きることそのものが

虚ろになる

問題ないわけじゃなくてね

問題あることに慣れすぎただけ

 

また気が優れぬと云いながら

落ちては覚め

人と違う時間に不安を持つのよ