おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

街の雨よ風よと云って

梅雨のある国に生まれまして

野分も身近にあったもの

何を今さら狼狽えて

よすがを探すようになる

 

降り込む雨が憎けりゃ

天まで憎いなんて

馬鹿げた話はない

 

どうせ死ぬよと云いながら

生き長らえた世は

意外にながく

鉄砲雨の来るときは

此方の心も武器のごと

構えておくほか無いからね

 

トントンカントン打ちつけて

寂びれ長屋を守ろうと

怒鳴り宥め慌て愚痴って

戯けた日のもう遠いこと

 

頑丈な街の一部屋は

揺れるとそれはそれで恐いもの

天も知らぬところ

 

電車にトラックに飛行機も

賑やかなることこの上無しや

紛れて遠くなる天よ気よ

忘れてしまうも無理ないね

 

それが正しさや人の在る

本来の姿とは云わないが

今更格好つけるのもなんだから

 

あぁ醜気に塗れた田舎町

雨よ風よが近かったのね

隣に中にあったのね

 

時は移り気も変わりまして

嫌に晒されない心地よい街

降り込む雨が憎くても

天を憎んじゃいけないね