おとのは ことのは

詩と曲を書いています。

明け床

愛されていないことに気づくには十分の

煙草の煙り残していった

咽かえして涙目

切り刻むものも見当たらないし

 

幸せそうな人のいる

街に出るなんて御免だわ

項垂れそうな1日を

窓開け風通すのでも精一杯

 

甘い言葉をくれたって

半日経てば蛻の殻

台詞だって知ってるんだから

嫌に反芻してあげる

 

愛されていないことも気づかないふりで

思いきり上り詰めてやった

思い返して暗がり

昭和の歌じゃあるまいし

 

赤いドレス

裾なびかせて

颯爽と歩くには

いろんなものが足りない今日此の頃

 

甘い笑顔にやられたなんて

思いたくないし

何番目だっていいけど

どうせこの世に1人じゃないのなら

 

今頃異国の地に降りて

好き勝手流離っているのかしら

パスポートも持たないから

ついていくどころの沙汰じゃない

 

甘い言葉をくれたって

半日経てば蛻の殻

台詞だって知ってるんだから

嫌に反芻してあげるわもう

 

大事な指先に

傷ともつかない跡を残して

その目にやられただなんて

思いたくないし

仕様がないから

嫌に反芻してあげる